鍼灸師の開業で難しいところは、たとえ腕が良くても治療院が上手く行くとは限らないところです。
むしろ通ってくれる患者様には感謝されるからこそ、自分のお店を閉めにくい、諦めきれないという思いがあります。
それに自分のお店を閉めるのは、どうしても開業の失敗を認めるというか、恥ずかしいと思うのではないでしょうか。
鍼灸専門学校は私立大学並みに授業料かかりますし、医学書は全て高いので今まで苦労してお金かけてやっと手に入れた免許で、さらにお金かけてやっと開業した治療院…なんとかこのまま稼ぎたいという気持ちは私も痛いほどわかります。
ただし、いつまでもそうはいっていられない現実はあります。
基本的に大逆転は起きませんし、もし起きるとしても今ではありません。
むしろ今一度リセットして落ち着かないと、後から手に入れられる再起のチャンスをつかめなくなっていきます。
独立開業経験があるからこそ、大手の治療院はあなたを必要としている
雇われに戻れない理由の一つに、給料面を気にされる方も多いと思います。
確かに個人院などで雇わわれると、年齢問わず給料は十万円台…多くても二十万円代でしょう。
ただしグループ院では全くそんなことはなく、月収30万円以上稼いでいる人も沢山います。
またグループ院の中には歩合制を導入しているところもありますが、グループ院は集客力はかなりあるので、ご自身の技術に腕があるのであれば、かなり稼げます。
さらに一度開業経験のある鍼灸師は、雇われ院長やマネージャークラスとして好待遇で採用されるケースも非常に多いです。
このクラスになると最低でも年収500万円以上は稼げます。
経営、集客を学び直せるというメリットも
通常、鍼灸学校では経営や集客は学べず、おそらく独自で学ばれたと思いますが…今現状上手く行っていないのは、何かしらが足りていないからです。
そして技術に絶対的な自信があり、患者様からも評価されているなら、明らかに経営やマーケティング技術が足りていないのだと思います。
これは本当に本当にもったいない事でしょう。
ですので一度、上手くいっている鍼灸整骨院や鍼灸院の経営・集客ノウハウを学び直すというのが非常に大切になってきます。
そしてそこで学んだ経営や集客技術と、あなたの鍼灸師としての技術が重なれば、再び開業した時に上手く行くとは思いませんか?
経営や集客技術はあくまでも”知識”ですから、何年もかけて身に着ける鍼灸の技術の方が明らかに難しいです。
そんな”知っているか知らないか”の問題に引っ張られて鍼灸師として上手くやっていけないのは、本当にもったいないと思います。
(ちなみに開業以外にも、その会社で業務委託として経営をしていくことも可能になります)
いずれにせよ、二度と鍼灸師として復帰できなくなる前に、まずは以前の生活に戻りましょう。
それから再び開業するもよし、業務委託としてリスクを抑えて経営するもよし、エリアマネージャーとして下の人間を育てるのも良しです。
私も学校で「鍼灸師として稼げるのはクラスで1~2名だけ」なんて聞きましたし、鍼灸院をたたむことは全く恥ずかしい事ではありません。
むしろ開業経験がある事を評価しない人はいないでしょう。
これまでの経験が無駄になる事は決してありませんから、ぜひいちど考えてみてください。
まずは「今の自分は、どれくらい評価されるのか」がわかるように、求人サイトを眺めたり、エージェントに登録するところから始めてみてください。