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今回は現在鍼灸学校や専門学校に通われていて、かつ学生のうちから将来のために鍼灸師関連のアルバイトをしたいと考えている方向けに
- 学生のうちからアルバイトとして鍼灸院や整骨院で働くメリットとデメリット(本当に勉強になるのか、雑用ばかりさせられないか)
- 鍼灸学生は、どういったところでアルバイトが出来て、一日にどれくらい働けて、時給はいくらくらいか
などをご紹介します。
鍼灸学生は学生アルバイトを経験をしておくべき?アルバイトをするメリット
まず鍼灸師が学生時代にアルバイトするメリットとしては、実際に仕事の現場を経験することで学校での勉強の重要性もわかり、更には実務を学べるので卒業後もスムーズに就職することが出来る点があります。
実際、座学や研修ではわからないトリガーポイント、針やお灸の据え方などは現場でどのように行っているかを見ることで学ぶ点は大きいです。
また鍼灸資格を持っている方監修の元に限り、先生たちのどなたかに練習台になっていただいて、マッサージを教えていただいたり鍼の練習をさせてもらえたりすることもあります。
選穴方法や手穴方法など、患者さんに触れなければできないことを経験することができるのもメリットです。
また学校で学ぶ鍼灸師の技以外にも、働く上で必要になる雑務等も経験できます。
タオルを洗濯して畳んだり、きれいに掃除したり、だれが見てもわかるカルテを書いたりする事。
限られた時間の中で、なるべくきれいに、ミスを少なく効率よく働くこと。
これらを同期より一足早く経験できるのは、今後の鍼灸師のキャリアの上でも差がつきます。
治療の流れや、患者とのコミュニケーション方法がわかるメリットも
おおまかな治療の流れがわかることと、何より患者さんとのコミュニケーションの仕方が学べることも、鍼灸師が学生の間からアルバイトをする大きなメリットです。
早いうちから患者さんと接することにより、話し方や接し方が慣れてくるため、社会に出た時に患者さんとの接し方がうまく、引き継ぎやサポートがしやすくなりますよ。
患者さんは老若男女いろんな人がいるので、「先生」と「患者さん」としての対応は他の接客業ではなかなか学べません。
資格をとって知識をつけても始めはぎこちないと思うので、良い体験になると思います。
最大のメリットは業界にパイプができる事
鍼灸師業界の風習として、業界を全く未経験の新卒鍼灸師は少し就職が難しい傾向にあります(即戦力が求められるため)。
そんな中、「一通りの流れがわかっている」「雑務もとりあえずできる」という方、は新卒でもかなり重宝される傾向にあります。
また学生時代にお世話になった治療院へそのまま就職したり、どこか別の場所を紹介してもらえるケースも多いですよ。
逆に鍼灸学生がアルバイトをするデメリットは…
逆にデメリットとしてまず思いつくのが、アルバイトに力が入りすぎると学業に手が回らなくなることでしょう。
実際、専門学校時代の3年間で覚えることは非常に多いです。
そこで基礎を疎かにしていると国家試験にも受からないし、鍼灸師になってからも苦労するかもしれません。
また将来的に開業を目指しているのであれば、経営学、会計学等にも時間を割いたほうが良いでしょう。
また学生時代に鍼灸師関連のアルバイトをすることで、鍼灸師のお仕事の嫌な部分が見えてしまい、鍼灸師になる事を辞めてしまう事もあります。
ただし嫌な部分は早めに見ておいた方がいいと思いますし、鍼灸師にも色々な働き方がありますので、就職した後に後悔しないという点では早めに自分に向いている働き先・向いていない働き先を把握できるのは大きなメリットだと思います。
勤める鍼灸院によってはデメリットになる事も
その鍼灸治療の仕方が鍼灸師の独自のやり方などの場合(いわゆる亜流の場合)、学んでいるやり方と異なるためかなり戸惑います。
また働いた先の考え方(東洋医学等)を押し付けてくる方がいるので、自分独自の意見を言えなくなったりその考え方に偏ったりすることもあります。
他にも雑な先生のもとで学んでしまうと、雑なやり方が身につき、他のところに行った際に修正するのに時間がかかります。
またその鍼灸師が上手なだけで、ほかの鍼灸師がやると却って治療の効果が出にくいなどの可能性もあります。
良くも悪くも学生の視野はあまり広くないので、目に映ったものが正解だと思いがちです。
以上の事から学生の間に求人を探す場合は、同期や先輩の口コミを頼りにするか、エージェントを利用することをお勧めします。
特にエージェントは事前に治療院の方に「どのような教育方法をとっているか」「学生のアルバイト内容は何か」等を聞いてもらえるのでおすすめです。
ちなみに:鍼灸院や整骨院の学生アルバイトは、雑用ばかりで勉強にはならないんじゃないの?
確かに鍼灸院や整骨院などでのバイトは、患者様の情報管理、受付や帳簿整理、その他電器マッサージのシール張りなど雑用をすることもあります(ほとんどは事務の方がやってくれますが)。
ただし、仮に雑用ばかりでも
- 施術時のフォローに入って、施術を近くで見ることが出来る
- 実際にそこで働いている人たちや、患者さんとも接することが出来る(患者さんとのコミュニケーションや対応を通じて、接遇力がアップする)
- 実際に学校で学んでいる内容を、直接見たり聞いたりすることができる(鍼灸院でアルバイトをしていない人に比べて、解剖学や経絡経穴なども実際に記憶に残りやすかったり、頭に入りやすくなる)
- 頭試問のような勉強も教えてくれる
- カルテや施術を見ているだけでも患者さんの触り方や選穴、手穴などの勉強にはなる
という事から、学生時代のアルバイトは必ず役に立ちます。
そもそもどんなバイトをしても、初めは雑用からです。
どうせなら、将来に役立つ鍼灸師関連のバイトをお勧めします。
鍼灸師を目指す学生はどこのアルバイトがおすすめ?1日の労働時間や時給の目安
学生のうちにアルバイトされる方のほとんどは、鍼灸師関連の職場でアルバイトをされます。
例えば
- 鍼灸院
- 整骨院(接骨院)
- 病院(リハビリ室)
- マッサージ店やストレッチ店
などなど。
勤務時間は職種によって大きく変わると思いますが、整骨院や鍼灸院などであれば学生さんは午前診か午後診のどちらか、3〜4時間ぐらい働かれる方が多いです。
時給に関しては最低賃金に近いことを覚悟しておいた方が良いでしょう(田舎であれば800円、都市部であれば900~1000円程度)。
他にも
- 筋肉がどう動くと効率的に働くかとか、どんな栄養をとればいいダイエットや筋肉になるかという勉強になる
- コミュニケーション力が鍛えられる
という理由で、ジムやスポーツインストラクターの仕事をされる方もいます。
ジムでお仕事も平日に3~4時間働いて、時給が800円ほどのところが多いです。
いずれにせよ将来自分が鍼灸師として、どの道に進みたいかによります。
スポーツトレーナーを目指したければ病院や整骨院。東洋医学を学びたければ鍼灸マッサージ院ですね。
学費を自分で払わなければいけない、もしくは学生ローンを使う方にとってはお金面で少しキツイかもしれませんが、この道で食べていくと決めている人には良い経験ができるはずです。
学生時代のアルバイトよりも就職した後の方がずっと働く時間は長いので、仮に時給が低くても技術指導を徹底しているところをお勧めします。
ちなみに:鍼灸師関係以外でアルバイトをするのは?
鍼灸学校に通いながら鍼灸師とは全く関係ないアルバイトをされる学生もいますが、実はこれも大変貴重な経験で、将来の鍼灸師のお仕事に大変役立つことが多いです。
鍼灸師もこれからの時代は如何に固定客をつかむかが大事なので、コンビニエンスストアやマクドナルド、ホテルのフロントといった接客業やサービス業で得られる対人スキルやコミュニケーションスキルは、鍼灸師になった後でも大変役立ちます(ただしこれは鍼灸院でも学ぶことは出来ます)。
それ以外にも、学生時代に様々なアルバイトをすることで世界観を広めることもとても大切です。
鍼灸学生でも、こんなアルバイト先はNG!
鍼灸院や整骨院の中には
- 学生アルバイトという弱い立場を利用してくるブラックなアルバイト先
- 全く勉強にならないアルバイト先
もありますので、簡単な求人や職場の見極めポイントもご紹介します(あくまで参考程度)。
- ①消毒設備が古い。(洗面器のような桶に消毒液をいれて手指消毒しているところ)
- ②大きな声では言えないが繁盛してなさそう。
- ③アルバイトとして雇われているの雇用保険等にはいってない。
- ④罵倒したり人格を否定するような発言、行動がある。
以上の点で1つでも当てはまるなら、そこで働いても何の勉強にもならない可能性が高いです。
参考程度で構いませんので、頭の片隅に置いておいてください。
鍼灸学生のアルバイトの面接の質問内容と回答
まず鍼灸師関連のアルバイトは、基本向こうが募集していれば合格するので、そこまで心配しなくて大丈夫です。
鍼灸学生が面接でよく聞かれるのは、
- どのぐらいシフトに入れるか
- 定期テストはいつか
- 今現在の単位の取得数(アルバイトに精を出しすぎて単位が取れず資格試験に受からないなどあっては、鍼灸院としてもあまり好ましくないため)
- なぜ鍼灸師を目指したか
- どのような鍼灸師になりたいか
- 入れる勤務時間はどれくらいか(どうしても拘束時間が長い勤務先が多いため、短時間勤務や夜は無理などしっかり伝えておくことでシフトがしっかり組まれます)
といったことです。
学生のアルバイトさんが求められているのは、嘘をつかないとか、遅刻しない、遅刻する時は電話連絡すること、というレベルのものなので、あとは真面目そうであれば即採用です。
しいて言えば「なぜ、うちに来たのか?」という疑問はどの面接担当者ももつと思いますので、その理由は最低限用意しておいたほうがいいと思います。
単純に学費のため、とかでもいいですが、「なぜ、うちの接骨院のバイトの募集に応じたの?」と院長に聞かれたとき、「昔、接骨院にお世話になった」などなんらかのちゃんとした理由があったほうが採用しやすいです。
ただ、専門分野に対して、素人の嘘はすぐバレるので、嘘をつくぐらいなら「学費のためにきました」くらいのほうが、好ましいとは思います。