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今回は鍼灸師で開業に興味がある方に向けて、実際に開業したことのある鍼灸師さんへ様々なインタビューをしてきました。
具体的には
- 鍼灸師が開業した場合、平均するとどれくらいの年収を稼げるのか
- 開業資金はどれくらい必要か
- 開業資金の融資はどこから借りられるか
- 鍼灸師が開業してから軌道に乗るまでは、どれくらいの期間が必要か(前の職場から患者を連れてこないと、初めから上手くいくケースは少ないか)
- 開業は一般的に何歳くらいの時にやるのが理想的か
- 開業するまでに、どこでどういった修業を、どれくらいの期間すればいいか
- 最後に:開業するならこれだけは知っておいてほしいリスク
などについて、独立経験のある鍼灸師の方の意見をそのままご紹介します。
独立や開業に興味のある鍼灸師の方は参考にしてください。
鍼灸師は独立・開業するとどれくらいの月収・年収を稼げるか
1日 多い時で10万円位
暇な時で2万 スタッフの人数にもよります
世間一般的に鍼灸師が開業した場合、平均年収は200万円から500万円ぐらいかと思われます。
なかには1000万円以上稼がれる方もおられますが全体の数パーセント程で、そのほとんどは500万以下の鍼灸師だと思います。
自費診療20万~30万は可能かと思います。
徳島では自費の相場が大体1時間4000円~が相場だと思います。
月に50~60です。これは手取りの金額です。
光熱費や、家賃を引いた額になります。家賃は、20万です。
光熱費は月に8万くらいかかります。
鍼灸師が開業した場合、成功するかどうかで差はあるようですが、一つの目安としては月収20~30万円、年収にすると350万円ほどが一つの目安になるようです。
また中には独立して年収1000万円以上稼いでいる鍼灸師の方もいますが、それ以上に年収200~300万円程度の方が多いようです。
自分一人でお店を構えた場合のキャッシュフローイメージ
今回、Yahoo知恵袋で以下のような質問を見つけました。
鍼灸師の年収についての質問です。
自分1人で店を構えていて、そこそこお客が来ている、という鍼灸師の年収ってどれくらいなのでしょう?もっと具体的に言えば、一日八人が来るとして、1人5000円として一日に四万円。週6日営業だと月に100万円程度の「 売り上げ」となります。
この中から、どれくらいの額のお金が、どういう名目で経費として使われ、どれくらいの額のお金が自分の懐に入るのでしょう?個人的には、経費はほとんどかからないんじゃないかと思うのですが、実際のところを教えていただければ嬉しいです。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1352072608
こちらのご質問について、開業経験のある鍼灸師の方の回答が以下の通りです。
年収は人それぞれで場所や腕などが関係するし、必ず儲かる職業ではないです。
また店舗を借りるのに(場所によりますが)6ヶ月分で商業店舗なら保証金100万以上必要です。
さらに美品やマッサージベッド、タオルなど色々な物を買ったり、宣伝広告費用やホームページ、スタッフを雇うなら求人 広告掲載費用など、とにかく初期投資にお金がかかります。
1人で自宅マンションでの開業なら100万円以上必要で、マンションを借りて開業なら300万円以上、商業店舗開業なら500万円以上必要です。
売上は1人開業で月50~100万、雇用して開業は月100万円以上の売り上げになります。
経費は色んな所に発生します。
光熱費や家賃などもそうですが、設備にもかかってきます。
また、世間一般的に自費診療というのは3,000円以上になると財布の紐は急にかたくなります。
来院回数を増やしたいのであれば保険請求と言う手もありますが、提携病院などの開拓にかなり手間がかかります。
このご時世「鍼灸のみ」というのは厳しいので痩身やアロマなどもメニューとして必要になってくると思うのでその為の材料費や研修費も必要です。
往診なども行えば自動車やバイクなどの経費もかかります。
保険代や税金もお忘れなく。
経費は、家賃光熱費・設備(ベット・オートクレーブ滅菌・ワゴン・カーテン・PC・プリンター・電話・FAX・鍼廃棄容器)
備品(鍼・綿花・アルコール・お灸・ライター・シャーレ・線香・タオル・着替え・トイレットペーパー・テッシュ・手指消毒・体温計・血圧計・カルテ・プリンター用紙等々)鍼灸保険・鍼灸師会会費・広告費・車両費 細かいのを挙げればきりがないほどあります。
初期経費と継続経費があると思いますので、最初は経費のほうが上回って赤字計上になるかと思います。
自分1人で店を構えていて、そこそこお客が来ている、という鍼灸師の年収ってどれくらいなのでしょう?
→月に40万程度なので500万くらいです。
保険で来る方がほとんどなので、手取りは少ないです。
月に100万入る方はそこから光熱費などかなりかかりますので手取りは半分と考えたほうがいいです。
学校にいたことも同期はみんな、ある程度、資金をためていたから買い始めた人が開業をしていました。
どこかチェーン店に配属の方は別です。
鍼灸師で独立・開業した場合、売り上げの半分ほどは経費として掛かるようです。
鍼灸師の独立・開業資金はどれくらい必要?
300~500万くらい
出張専門で行っているので、かかった費用は30万ほどでした。
開業資金もピンキリですが、最低で50万程で可能かとおもいます。
私は、元々整体院を開業していたところを受け継いだので、700万程かかりました。
鍼灸師の開業資金は、店舗を持つか出張専門にするかで大きく変わります。
お店を持つ場合は開業資金として500万円以上必要になる事も多いものの、その分、収入は多いようです。
今回のインタビューで開業資金が300万円以上と答えたお二方は、年収にして1000万円近く稼がれていました。
一方で出張専門の開業は資金は少なくて済むものの、年収も200~500万円程度になるようです。
鍼灸師の開業資金の融資は、どこかから受けられるか
母子家庭だったので助成金など開業資金の一部利用した。
他の人は都市銀行ではなく地域密着型の信用金庫がおすすめ
融資は商工会議所に事業計画書を提出して相談するのが良いと思います。
ローンの返済前でも融資は受けれると思います。
公庫から受けることも可能です。
ほかにも商工会や銀行も可能です。
ローン返済前の場合は融資額が満額ではなく減額される可能性が高いかと思われます。
鍼灸師の開業の融資については、比較的どこでも受けられるようです。
またローン完済前でも融資は受けられます。
鍼灸師は開業してどれくらいの期間で軌道に乗る?
市場のリサーチや技術や知識の向上はもちろん踏まえた上で、早くて2年長くて5年は軌道のひとつの目安になるのではないでしょうか。
世間の情勢にも左右される事があるのでいかに固定客を確保出来るかが重要です。
1年から3年と思います。
私は2年でした。
もともとが整体院を開業しているところでしたので、通っていたお客様がそのまま通ってくれています。
独立して事業が上手くいくまで、平均して1~3年ほどははかかるようです。
この期間は収入が下がる事、思っているよりは上手くいかない可能性がある事は覚えておきましょう。
先ほどのアンケートにもありましたが、軌道に乗るまでは赤字計上の場合も多いです。
前の職場から患者を連れてこないと、初めから上手くいくケースは少ない?
開業する時は下積み時代のお店のお客様は極力連れて来ないでください。前の経営者との繋がりは大事です。
前の職場の患者を連れていく場合、きっちり前職場と話が出来ていないともめることが多いと思います。
前の職場から患者さんを連れて行ける事が可能ならそうするべきだと思います。
開業した場所が「地元」なら別でしょうが…
前の職場の患者さんを引き抜いたほうが、確かに事業は早く安定しそうなイメージはあります。
ただ実際は前に勤めていた院長ともめる事も多く、また地域だと狭い社会になるのでお店を続けにくくなってしまうかもしれません。
お世話になっていた治療院からOKが出ているなら別ですが、基本的には患者様は引き継がないほうが良いでしょう。
鍼灸師の独立・開業は何歳くらいの年齢がベスト?
40才以上が理想
スタッフは若いので経営者は40歳からの方が理想で、体力的にも理想の年代だと思います。
開業してからが勝負になります。
体力がありスタッフをまとめる力があると考えたら、40以上だと失敗が少ないし経験を踏まえると40以上が良いと思う
40代前半が良いと思います。
私は前鍼灸師が体調を崩し、緊急で受け継ぎましたが、40代くらいのほうが安心感や信頼を持ってもらえますので、体力と相談次第ですが、年齢は関係ありません。
受け継ぎだったので「あの先生と比べると」と言われることはありました。
何歳でもいいかと思いますが、30代・40代で開業できると体力気力があるので良いと思います。
20代だと人によりますが頼りなく見られがちです。
50代だとそれまでの仕事の仕方によりますが体力気力の継続が難しいと思います。
この仕事は何歳に開業するのか正解はありません。
個人事業主として学術的にも経営的にも自分自身が独り立ちしようと腹を括った時が開業時期なのではないでしょうか?
一人で経営する大変さを覚悟出来ているかが重要かと思います。
鍼灸師として開業するのは、40代前半が一番ベストの年齢です。
30代以前だと頼りないと思われ、50代以降ですと体力的に厳しいものがあるようです。
鍼灸師が独立開業するまで、どこでどういった修業を、どれくらいの期間すればいい?
開業するまでに、技術の修行は可能な限りした方がいいと思います。
開業するとなかなか時間が取れなくて、行きたい研修や勉強会に行けない事が多いです。
開業してからも自己啓発は必要です。
色んな院で修行をするのもいいですし、一つの院で師匠のノウハウを学ぶのもよし、自分の『これ』だと思うものを見つかるまで修行は必要です。
ただ、期間で言うと、1年やそこらでは無理かと思います。
開業までに最低3年間は必要ではないでしょうか。
鍼灸院や・整骨院・クリニック・病院・介護施設等でされたりするのがいいと思います。
一か所でも数か所でもいいと思いますが、期間は一か所で3年ぐらいは努めたほうが一通りの業務がわかり、経営者の考えや従業員の考え等が見えてきていいと思います。
並行で、自分の目指したい治療方法の勉強会にも参加することは大変役に立つと思います。
勉強会のほうは終わりはないです。
どんな形であれ、勉強はし続けなけれはなりませんから。
修行の勤め先については鍼灸師関連の鍼灸院や・整骨院・クリニック・病院・介護施設等をお勧めする方が多かったですが、中には独立に向けて経理の勉強をしたり、ホームページ作成の勉強をオススメする方もいました。
開業前の修行として、色々な場所で最低3年間は修業が必要と答える方が多かったです。
ちなみに大手グループ院では、独立前提で経営・集客ノウハウを教えてくれるところもあります。
最後に:鍼灸師が独立開業するリスクやデメリット
鍼灸の場合、やはり体への影響が大きいので気胸や骨折や内出血、感染症などかリスクの割合を占めるかもしれません。
これらのことは結構な割合で訴訟問題に発展します。
1番のデメリットは収入かもしれません。
なりたい職業ランキングなど上位に入った事は到底無く、低所得なのが実際です。
鍼灸の保険診療は医師からの理解を得られなければ無理ですし、自費でも高額であればなかなか患者さんが定着する事は難しいです。
訴えられた場合、よほどカルテや証拠がない限り裁判などで勝てる事はありません。
リスクは、一人開業だと体調は崩せないことです。
また、お客様のわがままや都合に合わせることです。
私の開業している地域は高齢者ばかりです。
なので、体調悪いから時間をずらしたいなどは茶飯事です。
なので、休憩も基本的にはなしです。
それくらい対応しないと稼げないです。
あとは、私は休日も往診に行きます。
自宅で治療するのも受け付けています。
そちらのほうが交通費も入るので、少し稼げます。
年齢40代くらいでも遅くないと思います。
実際に、資格をとるために通っていた学校は50代の方が多かったです。
体力的には、きつい職場ですが、男女関係なくマイペースにできる点では転職としてはありだと思います。
開業に至っては、ある程度この場所に出すとか、どういう内容の治療院にするか?あらかじめPRしておかないと厳しいです。
私の地域は高齢者ばかり、隣の地域は来る方は若い方や主婦が多いという傾向がかなり違うので把握しておくこと、リサーチしたほうがいいです。
実際、独立開業して失敗した鍼灸師の相談を、ネット上でもよく目にします。
鍼灸師として開業する二つの大きなデメリットが、やはり「失敗すると高収入を得られないどころか、借金を背負うことになる」ことです。
宜しくお願いします。37歳です
10月末に、鍼灸マッサージ院を開業しましたが思いのほか収入は伸びず11月末で現金で20万ほどの収入です店舗家賃や支払い、生活費を考えると月に60万は最低かかります
現在資金も120万程度2月までもつか?日々不安です
開業時に銀行やリース会社 家族で1000万強の借金をしてしまい今は不安の日々です皆様はどの時点でやめようと決意しましたか?
消費者金融には借りたくないので気持ちが落ち着かず病気になそうです・・・。家族や子供のためにも踏ん張る覚悟はあるものの心が折れて・・・。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1252029947
鍼灸院を開業して2ヶ月になります。
まだまだ波に乗っているとは言えません。毎月広告を打ってますが、反応はほとんどありません。
フリーペーパーや新聞などの紙媒体を使ってます。チラシのポスティングもやってます。
とにかく新規の集客ができてません。治療院の新規を集めるには、広告以外になにかありますか?
既存の患者さんには口コミや紹介はわりとしていただいています。地道に広告を打っていくしかないのでしょうか。
運転資金も余裕がなくなってきました。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1028672950
鍼灸師をされている方に質問です。
ぶしつけで申し訳ありません。現在、夫が鍼灸学校を卒業後すぐに開業し、半年が経ちますが経営難に陥っています。
安易に開業を許してしまった自分にも、考え方が甘すぎた夫にも欠点がありすぎることは重々承知しています。何人かの顧客の方がつき、その方々は主人の治療をほめて下さっています。
私自身主人の治療を受けて身体が良くなっているので腕が悪いわけではないのです。しかし、経営難で金銭的にこれ以上続けることが出来ない以上、私は鍼灸院を廃業したほうがいいと考えています。
主人も患者さんが来ない日が続くと精神的に病んでしまい家庭内の空気がすごく重たくなります。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11168399441
よく勘違いされている方がいるのですが、鍼灸師として経営していくうえで今一番に必要な技術はマーケティングや集客です。
腕に自信があるとか1日15時間働けるというのは二の次で、如何にお客さんを集めるかというのが一番大切です。
むしろ技術に自信があるのであれば、大手のグループ院幹部として雇われる方が安定してお金を稼げます。
また整形外科で雇われたほうが、あそこは新卒で年収300万円以上、将来的には年収500万円以上になる上、拘束時間が短い・週休二日・保険完備・ボーナスありと、プライベートも充実できるでしょう。
確かに鍼灸師として開業というのは一つの夢ですし、上手くいけば雇われでは決して達成できない年収1000万円も目指せます。
ただし鍼灸師として開業しても多くの場合は年収500万円以下、むしろ200万円代も多いことは頭に入れておきましょう。
よっぽどの自信がない限りは、鍼灸師の経営はハイリスク・ローリターンと言えるでしょう。
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