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鍼灸師のお仕事は、学生時代に情熱を持っていた方ほど理想と現実のギャップでショック受けやすいと言われています。
そういう事もあって、鍼灸師を辞めたい、転職したいと思っている方も結構多いです。
前回は以下の記事で、鍼灸師から一般企業へ転職した方をご紹介しましたが…
今回は鍼灸師の資格を使う、別の職場に転職した人の声をご紹介します。
せっかく時間もお金もかけて鍼灸師の資格を取ったわけですし、鍼灸師の就職際はアタリハズレがあるだけで、ちゃんとしている職場もあります。
実際他業種に転職した後も鍼灸師のお仕事を忘れられず、後悔したり、これで良かったと悩んでいる話もよく聞きます。
キュアワークスとしては、もう一度だけ転職してみて、それでもダメそうなら完全に他業種に移られるのが良いのかなと思います。
鍼灸師を続けるのがしんどいと感じ、その職場を辞めた方の体験談
今回は大きく分けて3つのよくある鍼灸師を辞めたい理由をご紹介します。
鍼灸師の仕事の年収が低くて生活できない、食べていけないと感じた
都内にある鍼灸院です。
拘束時間が長く、8時30分から22時くらいまで勤務していました。
残業代もなく、有給休暇も法定以下(7年勤務して年5日だけでした)また、給与が高いわけでもなく賞与や昇給もありませんでした。
その給与の中から後輩を飲みに連れて行けと言われる始末でしたし仕事後や休日の飲み会や社員旅行も当たり前のようにあり、家族が増え、今後の職場の将来状況や人生設計を考えると転職が最適だと考えました。
転職先は拘束時間が同じくらいですが、残業代は支給され、勉強会も豊富で確立された昇給システムや賞与があり、休日も希望休暇が取れ、有給休暇も法定通りです。
拘束時間はこの業界のため仕方ないので、今後の展望が明確であり、しっかりした福利厚生があるところが魅力でした。
しっかりと勉強ができ、プライベートも充実させるためにいわゆるブラック企業からオフホワイトくらいの企業に転職したため満足です。
一番は院長の考え方に満足しています。
相性の合わない先生と二人きりで働く仕事先では仕事を続けることができないと思い、やめたくなりました。
仕事1日のうち8時間以上も毎日、同じ先生と仕事をする ということは、とても居心地がよいか、相性が良くないとうまくいきません。
さらに、その先生が患者さんが来ないことを自分の責任ではなく、他人の責任にしていて、そのとばっちりを毎日受けるようになりやめたくなりました。
患者さんが来なくなり、給料の支払いも滞りがあり生活ができなくなったのもやめたくなった要因の一つです。
転職先では給料をしっかり支払いしていただけて、支払いが滞ることなく最低限の生活の保障はしていただけました。
先生が積極的にコミュニケーションをとる方で、色々相談に乗ってくれたり、気遣いをしてくれる方で心地よく仕事をする事ができました。
定期的に集合をかけてくれ、駄目なことは駄目としっかり叱ってくれる先生でしたので、信頼することができました。
職場内に信頼できる人がいるかどうかはすごく大きいことだと感じました。
鍼灸師をやめたい理由で特に多いのが、「給料が安すぎて食えない」というものです。
ただでさえ勤務時間等が長いのに、給料は月15万円ほどしかもらえない(しかも業界の特性上、年齢と共に上がっていくわけでもない)という鍼灸院や鍼灸整骨院もあって、技術はあっても貧困に苦しんでいる鍼灸師さんは結構います。
初めの方は
- 残業代あり
- 確立された昇給システムあり
- 賞与(ボーナス)あり
- 有給休暇あり
という鍼灸業界では超ホワイトなところへ転職されていますが、間違いなく大手のグループ院へ転職されたのでしょう。
グループ院であれば初任給でも23~27万円はもらえますし、役職が就けば手当もつきます。
長く続けることでマネージャークラスになれば年収500万円も到達できますから、鍼灸師としても余裕で食べていけます。
資金力のある大手グループ院は個人院と全く違い、かなり”まとも”な求人が多いので、ぜひ探してみてください。
院長のパワハラやノルマで仕事がつらい、きついと感じた
鍼灸整骨院で働いていましたが、様々なことがあり、やめたくなりました。
院長と二人きりの職場で、二人でいることが、大変ストレスで、パワハラを受けていたのが一番です。
叱られることは仕方ないと思いますが、患者さんの目の前で、わざとみせしめのように叱ってきたり嫌みなことを言ってきたことが続き、その状況に耐えれなくなりました。
又、柔道整復師でないのに、レセプト業務の大半を鍼灸師の私に任せて、文句だけはいってくる状況に耐えられませんでした。
仕事をし始めて、まだ間もないときに、患者さんが、減ってきていることをこちらのせいにしてきたこともやめたくなった一因でした。又、マッサージ師ではないのに、指がつぶれるようなマッサージをさせられ、それは、鍼灸師としては、違法行為であり、この先、自分にとってよくない環境だと感じました。
又、お給料を支払ってもらえないこともあり、その点に関して、真剣に謝ることがなく、家賃を支払うことが大変な状況になってしまったので、やめたくなりました。
転職先の職場ではパワハラを受けることもなく、問題があれば、その都度院長がミーティングをしてくれて、個人面談をしてくれる環境で大変働きやすかったです。
院長との相性も大変よく、何でも話し合いができて感情的に怒られることはありませんでした。
又、整骨院業務をおしつけされることはなく、マッサージを強要されることもなく、鍼灸師としてできる仕事を優先してくださり働きやすかったです。
院長が仕事を一生懸命していたので、それをみて自分も仕事を頑張ろうという気持ちにもなり、この院長についていきたいという思いにもなりました。
お給料に関しても、滞ることもなく、しっかり支払いをしてくれて、その面で不安になることが一度もありませんでした。
通所型介護施設を併設している鍼灸整骨院。
私の担当は鍼灸整骨院のみだったのですが、院長が外出するから施設の施術代わりにやっといてーと丸投げ。
院長がよく急にいなくなる、急に休む、急に数日院を放置。
私は鍼灸しか資格ないので、柔整もちの院長がいないと鍼灸以外の業務出来ませんと何度言っても、だいたいわかるでしょーと。
いなくても患者さんは次々来るのでやるしかないのですが、完全に黒。
仕事は好きだし楽しかったのですが、来てくれる患者さんへの罪悪感から退社を申し出ました。
退社を申し出ると通所型の施設を新規で出すから、給料上げるので責任者になってくれと。
悩みましたが私の住む地域は鍼灸の求人が全くない地域のため、条件をのみました。
ですが実際は給料アップどころか払えないからと大幅ダウン。
あげく施設が軌道に乗り始めたところで、銀行がお金貸してくれないからやめる!と閉所3日前告知。馬鹿にするのも大概にして欲しかった。
縁あって介護施設経営をしている社長を紹介してもらい、新規部門として訪問鍼灸部門を作成してもらい転職しました。
1人だったので予約や患者さんとのやりとりも思い通りに出来ますし、鍼灸のみの施術だったので黒になる心配も罪悪感もない。
自分の挑戦したいことが出来る。
系列の施設を回ったり、個人の患者さん宅に訪問したり、書類作成や営業かけたりと忙しくはありましたが、頑張った分だけプラスインセンティブが入ってきたり、もちろん前の職場よりもかなり月給良くなりましたし、ちゃんと休出残業代が出ることが、当たり前のことですが嬉しかったですね。
前の職場は休出残業はサービスが当たり前だったので。
もちろんインセンティブなんてありませんでした。
個人の治療院は「院長=何を言っても絶対に正しい」という構図が生まれやすく、パワハラや法律違反に発展するケースは本当に多いです。
本来なら違法なのに
- 人材が足りないから、本来鍼灸師はしてはいけない仕事をさせられたり
- 儲からないのは院長の責任なのに、私たちにきついノルマを課せられたり
- 残業代も出さないばかりか、給料の支払いも遅れたり
- 体力がヘトヘトになるまで働かせられたり
する事も良く起こっています。
おかしいことは絶対におかしいので、少しでも疑問に思うことがあれば労働基準監督署に相談したり、学校時代の知り合いで他院で働いている方などに相談してみましょう。
外部の勉強会に参加している人に、コッソリ聞いてみるのも良いですよ。
拘束時間が長く、プライベートが持てない
辞めたくなった職場は鍼灸整骨院です。
まずは拘束時間が長いこと。
上司が帰らないと帰れない雰囲気があり、練習や勉強会、会議などが勤務時間外である。
休日に練習や勉強会もあり、任意ですが、行かないといけない雰囲気と、参加するものが評価される。
断れないのと、休日もLINEが次々に送られてくる。
休日を使った営業活動もあり、一応時給は発生するが安い。
これが続くと、ほぼ休みなしでの勤務が続き、プライベートの時間が全くなくなる。
友人とも遊べなくなり誘われなくなるということもありました。
仕事をする上で必要な事だとは思いますが、人生の中で仕事とプライベートの時間も必要だと感じました。
会社の方針がすぐに変わったり、早く帰社するようにと言われ早く帰るようになると、練習時間が減り、やはり、残って練習することが必要だからそれは行う様にと。
早く帰ることが大事と思って行動していてたのに、そんなに早く帰って大丈夫と言われたこと。
まとめると、拘束時間と休日出勤と賃金に不満がありました。
転職後は勤務時間内に中休みがなく、通しでの勤務であるので、まず帰社時間がかなり早くなりました。
また、転職先では、自分のすべき仕事が終われば定時前でも帰って良いことになっているので、効率よく仕事を行うことで早く帰れるようになりました。
また、会社もそれを評価してくれるのと、もし残業になれば申請すれば残業代も出るのでそこにも満足しています。
全体での練習や会議もほとんどなく、訪問なので1人の時間がほとんどで気をつかうことなく仕事できるのとお昼休みも休めますし、その日のシフト次第にはなりますが空き時間も出ても自分でその時間を有効活用できるところが良いところです。
休日出勤もなく、有給希望も出しやすく、急な休みにも対応して、みんなでフォローしてくれるところが良いです。
実際に就職してみて「鍼灸師の仕事が思ったより大変で、向いていないと思った」と聞く理由で多いのがこれですね。
最近はグループ院を始め拘束時間については改善されてきていますが、依然として個人院によっては閉院も含めると22時くらいまで拘束されることもあります。
また割とブラックなところでは、週休1日、しかもその1日も勉強会に割り当てられた理することもあります(しかも最悪なケースでは実費の場合も)。
もちろん鍼灸師の仕事の楽しい部分もありますが、それもあくまでプライベートの両立があってのもの。
こうなるともう、何のために生きているかわからなくなるかもしれません。
※ちなみに:プライベート重視なら、絶対に18時で”帰らされる”老人ホームがおすすめ
拘束時間が割と短めの治療院も多いので、そういったところに転職すれば問題ないのですが、もし絶対に勤務時間を短くしたいならデイサービスや老人ホームなどで働くのがお勧めです。
こういった職場は勤務時間が17時~18時までとキッパリ決まっていて、残業したくてもさせてくれないくらいです。
その上、週休もきっちり2日あります。
またお年寄り相手なので”患者様を治療する”というよりも、コミュニケーションをとったり癒しを与えるという側面が強く、少し語弊があるかもしれませんが結果は求められにくいです。
そのため、鍼灸院や整骨院のようにキツキツに勉強させられる事もありません。
おまけに人手不足の機能訓練指導員として働くので将来性があり、これから先、鍼灸師として仕事がない何てことも考えなくて大丈夫です。
老人ホームでの働き方については、実際に働いていた方のインタビューを以下の記事で紹介しています。
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おわりに:もし院長に退職を反対されたら
先ほども個人院では特に「院長=絶対的存在になりがち」と話しましたが、これは退職を伝えた時もよく起こりがちです。
例えば職場を辞めたいといっても「最低あと半年は働いてもらわないと」「人手不足だからそれは無理」なんてことを言われるケースも多いです。
ただし当然、院長がどんなルールを設けたとしても、法律優先です。
そして法律では2週間で辞められると決まっていますので、退職を伝えてから2週間でキッパリ辞めてしまって構いません。
もし自分で退職を伝えるのが怖い場合は、即日退職できる退職代行サービスなんてものもあるので、使ってみても良いかもしれません。