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今回はいま鍼灸学校に在学中もしくは卒業していて、卒業後の進路に迷われている方に向けて
- そもそも鍼灸師の就職先で、卒業後に実務経験がない未経験の新人でも雇ってくれるところはあるのか
- 鍼灸師の就職先は、鍼灸院、接骨院、整形外科、病院のどこが条件や将来性を考えると良いか
- 先輩の鍼灸師は、どうやって就職先や求人を探し、どんなポイントを見て選んだのか
についてご紹介します。
ちなみに最後にもご紹介しますが、鍼灸師の主な就職先の
- 仕事内容
- やりがい
- 年齢制限
- 年収や月給
- 勤務時間、残業の有無、ノルマの有無、週何日休めるか、有給休暇は取れるか、福利厚生・手当て・保険などの待遇
- 出会い
- 求人の多さ
- 新卒の履歴書の自己PRや志望動機の書き方
- 面接対策
などは以下の記事でまとめています。
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見習い&実務未経験の鍼灸師でも、卒業後に就職先は簡単に見つかる?
結論から言うと、新卒の鍼灸師さんの需要はかなりあります(むしろ中途採用より需要があります)。
特に大手の整骨院や鍼灸院は慢性的に人手不足のところが多いので、新卒の実務経験未経験でも簡単に就職できることがほとんどです。
また大手は企業の体力や資金が十分にありますし、仮に未経験でも教育プログラムや研修制度がしっかりありますから、その辺りは心配いりません。
(もちろん小さな治療院でも、保険の適用できるところであればこなす数も増えるので、自ずと先輩施術者でも足りない分の患者さんは新人でも担当させていただけます)
また今回、実際に見習い鍼灸師を採用している院長にもお話をお伺いしましたが、
- 即戦力なら即戦力希望と書いているので、そう書いていない場合は実務経験未経験の新人でも普通に大歓迎
- むしろこの業界だと下手に間違った実務経験(自分流のクセ)がある治療家も多く、新人よりはるかに扱いにくいというケースも多いので、むしろ新人を採用して育てたい
- 少々の接骨院や鍼灸院でのバイト経験は現場では最初役に立たない事は採用先の先輩もよく理解しているので、心配しなくていい
とおっしゃっていました。
同じ理由で(求人数は減りますが)病院やエステサロン、ジムなどでも新人を求めている求人は十分にあります。
むしろ一番チャンスがあるときなので、自分のキャリアで本当に何をしたいのかをよく考えて、妥協せずに応募してみてください。
卒業後の鍼灸師の進路先、就職先を決めるポイントは?
それでは次に、先輩鍼灸師さんたちがどのようなポイントで就職先を決めたかについてご紹介します。
もちろんどの就職先を選ぶかは人それぞれなので、「確かに!」と思う理由があれば参考にして頂ければと思います。
自分の将来的なキャリアに合うかどうか
鍼灸の就職先にも、分野がいろいろあります。
例えば鍼灸院(治療院)、整骨院、接骨院、整形外科、病院、訪問鍼灸、開業などなど。
自分の学びたい、もしくは得意な鍼灸の分野があるのであれば、新卒の就職先からそういった場所を選ぶ必要があります。
- 鍼が得意な人は鍼を売りにしている鍼灸院
- 灸が得意な人は灸を売りにしている鍼灸院
- 女性に特化した施術がしたい場合は、「レディース鍼灸」「美容鍼」「不妊鍼灸」など
- 臨床経験をより多く積みたい場合は、鍼灸患者さんの多そうな会社
などなど。
鍼灸院、整骨院、病院、整形外科それぞれの特徴の違いも後でご紹介するので、そちらも参考にしてください。
給料面が良いかどうか
やはり就職先を決めるうえで重要視されやすいのが、給料面です。
詳しくは後でご紹介しますが、基本的には病院・整形外科>整骨院>鍼灸院という順でお給料が高くなります。
福利厚生が充実しているかどうか
プライベートを充実させたい方は、
- 勤務時間
- 給与(賞与、寸志の確認必須)
- 保険等の保証
- 休日の数(週休二日制かどうか)
- 有給が取れるかどうか
- 会社側が勉強会の費用をだしてくれるか
- 女性で長期的に勤務がしたいのであれば「産休や育児休暇の有無」
等の福利厚生面を気にされています。
ちなみに結婚の予定がある方は、就職先は産休育休制度・社会保険などの福利厚生がしっかりしたグループ会社を中心に探される方が多いです。
自分を成長させられる職場かどうか
職場によって、
- 研修制度がしっかりしている
- 病院と提携している院で、ドクターやコメディカルの方々の意見を聞ける
- 西洋医学、東洋医学どちらも補完し合える関係性が出来ている
- 新卒でもやりたい事や疑問に思う事を素直に意見出来る
- 施術導線がしっかりしている
- 新人でも仕事を任せてもらえる
といった違いがあります。
特に小さな鍼灸院は新人のうちから仕事を任されるため、できるだけ早く施術をしたい方は、個人院に就職されると良いでしょう。
職場の人間関係
職場の人間関係もまた、就職先を選ぶうえで大切になります。
というのも鍼灸師の就職先は一般企業のような大人数のところではなく、限られた人数で働くことが多いので、人間関係がうまくいかないと働くのが嫌になりますからね。
面接時に院長先生とお話をして、感じが良かったり、どんな質問にも答えてくれてオープンな感じで(楽しく仕事が出来そう)(自分にあいそう)と思い、働くことに決めた方はとても多いです。
また求人ではわからなかったのに、職場見学をしてみるとバリバリの体育会系だった…なんてこともあります。
そういう意味でも、実際に雰囲気を感じに行ってみるのは大事なことですね。
独立・開業の支援をしてくれるかどうか
当メディアでは何度かご紹介していますが、基本的には面接時に「将来的に開業したい」と伝えた結果、将来的に競合になる方と思って意地悪で教育してくれない院長はいません。
ただその場所でどれだけ鍼灸の技術を学べるか、新人でも仕事をさせてくれるかは就職先の職場によって違うので、予め聞いておいたほうが良いです。
実際に見学に行き、職場の雰囲気を確認することが重要!
求人情報をただ見ていても実際の雰囲気はわかりませんし、たまにとんでもないブラック企業が紛れ込んでいることがあります。
なので実際に職場見学などをして、求人票と比べて相違ないか、きちんと確実に確認してください(できれば院長ではなくスタッフの方とも話す)。
転勤なども直接聞かないと教えてくれない場合も多いです(ちなみに多店舗運営している企業は移動が多い傾向にあります。特に独身の方!)。
また来院患者さんの多い会社は院見学を積極的にさせてもらえ、少ない会社は見学をあまり勧めてこない傾向にあります。
鍼灸師の経験を積みたくて鍼灸患者さんの多そうな会社へ勤めたい場合も、職場見学はとても大事になります。
鍼灸師の就職先でブラック企業の求人を避けるコツ
ちなみに、以下のようなうたい文句の就職先には注意が必要です。
- 「有名な○○先生の~」(ワンマン経営で超絶ブラック、意味不明ルール、奴隷系労働の可能性)
- 「芸能人も来る有名店」(そもそもホントにお忍びで辛くて通うなら、黙って来て黙って帰りますし、そんなプライバシー晒しません)
- 「○○流の元祖!」(当たりハズレの差が激しすぎる)
こういった突飛な売りがあある就職先ではなく、きちんとした研修制度や職場の人間関係、雰囲気の方が重要です。
まともな就職先では色々な出会いがあったり人脈も広がりますから、そちらの方がキャリア的にもよっぽど重要です。
鍼灸師で就職するなら鍼灸院、接骨院、整形外科、病院のどこがオススメ?
鍼灸師の就職先の将来性や安定性、待遇についての比較は、以下の記事で紹介しています。
記事の途中にはなりますが、こちらもご覧ください。
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卒業後の鍼灸師の求人の探し方
卒業後の見習い鍼灸師の求人の探し方は、大きく分けて以下の3つの方法があります。
- 学校で求人を紹介してもらう
- 大学の先輩や卒業生から紹介してもらう
- 自分でインターネットで求人を探したり、エージェントにお願いする
- 求人の数
- 求人の質
- 進路の幅(治療院外の病院や老人ホーム等)
は、圧倒的にインターネットで探す方が良いため、待遇面を重要視される場合はネット求人の一択です。
ただ学校や先輩に紹介してもらうほうが、自分で色々動かなくて済むので楽というメリットもあります(その分、辞めにくいですが)。
学校で求人を紹介してもらう
まず一番先に思いつくのは、学校に届いている求人でしょう。
もしその求人の中にお気に入りのものがあれば担当の先生に相談し、自分の希望を伝え求人先のことも教えてもらい、話を先に進めることが出来ます。
また仮に学校に求人が届いていなくても、こちらから学校に相談し条件を提示すれば、その条件にあった治療院を鍼灸学科の教員と就職担当の教員が探してださいます。
いろいろ先生と話しているとアドバイスももらえるし、自分では分からなかった自分のことも気づかされて、とても役にたちますよ。
学校から紹介される求人は卒業生や先生との繋がりもある職場のことも多く、安心して働きやすい環境の事も多いです。
大学の先輩から紹介してもらう
狭い業界なので、大学のサークルの先輩やOB・OG、ゼミの教授に紹介していただけるケースも多いです。
他にも学校の冊子で「卒業生は今、どのようなとこで、どいう風に働いているか」といった記事を目にして、自分もそこに応募し採用していただいたという方もいます。
こちらも知り合いからの紹介なので、人間関係を築くのが楽というメリットはあります。
ただ学校で求人を紹介してもらう場合も、大学の先輩に紹介してもらう場合も、
- 辞めたいときに辞められないというデメリット(本気で止められます)
- 求人の候補が少ない(個人院や治療院が多い)
というデメリットはあります。
ということで、基本的には大手の治療家専用の求人サイトで探すのが良いと思います。