整骨院の独立開業を成功させるためには、適切な流れで開業の準備を進める必要があります。
また昨今は競合が増えたこともあり、開業後に経営を続けるのも難しいと言われています。開業後に経営を維持するためにも、マーケティング力や施術スキルを高めるのも重要でしょう。
この記事では、整骨院で独立開業するまでの流れを6ステップで解説。準備書類や資金についてもお伝えします。成功させるために必要なスキルについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
整骨院の独立開業は儲からない?業界の現状について
厚生労働省の公式ホームページに掲載されているデータによると、令和2年の柔道整復の施術所数は、50,364施設でした。平成22年は37,997施設だったため、10年で約13,000施設も増えたことになります。
柔道整復の施術所とは整骨院や接骨院のことを指します。以前よりも競合店が増えたことになるため、独立開業で儲けるのは以前に比べて難しくなったと言えるでしょう。
柔道整復師の将来性について気になる場合は、次の記事を参考にしてください。
柔道整復師の将来性について解説!終わってるのか?未来はあるのか?
整骨院開業後の年収
整骨院や接骨院を独立開業して得られる年収は、一般的には250万円~1,000万円くらいといわれています。整骨院や整骨院を複数運営したり、高単価で施術をしたりすると1,000万円以上も目指せるでしょう。
一方で経営が厳しい場合は、250万円くらいに留まり、困窮することもあります。とくに昨今は、保険適正化の流れで保険請求が厳しくなっているため、自費メニューを導入しなければ経営が厳しくなるケースもあるのかもしれません。
次に整骨院の独立開業を成功させる方法について解説します。
整骨院の独立開業を成功させるには?必要な能力やスキルを解説
整骨院の独立開業を成功させるためには、マーケティング力や施術スキルがとくに重要です。
マーケティング力
現在の整骨院運営にはマーケティング力が欠かせません。マーケティング力とは、整骨院に患者さんを集める仕組みを作る能力です。とくにインターネットで集客する仕組みを作るWebマーケティングが、整骨院の成功を左右するといっても過言ではありません。
Webマーケティングには、ホームページやSNS、インターネット広告などで集客する方法が考えられます。資金力があれば業者に外注をするのも1つの手段ですが、資金を抑えたい場合は自分でマーケティングを学ぶことも大切です。
施術スキル
整骨院を成功に導くためには、高い施術スキルが必要であることは今も昔も変わりません。しかし以前よりも、総合的な施術スキルが問われていると考えられます。
以前は手技にコミットして一定の効果を感じてもらえれば患者さんは納得して通院してくれたかもしれません。
しかし現在は、手技だけではなく問診やアフターフォローなど、手技以外のスキルも必要です。競合が増えたことで、施術サービスの質を総合的に高めることが求められるようになりました。
整骨院の開業に必要な資金
整骨院に必要な資金には、初期投資と運転資金があります。各タイプの資金について解説します。
初期投資
初期投資とは事業をはじめる際に、はじめにかかる資金です。一般的に整骨院を開業するためには、1,000万円くらいの初期投資が必要といわれています。整骨院の場合、次のような初期投資が考えられます。
- 店舗資金:土地・建物/物件取得/駐車場など
- 内外装資金:設計・デザイン/内装工事/外装工事
- 機械、備品資金:物療機器/ベッド/衛生材料/タオル
- 広告宣伝費:看板/ホームぺージ/WEB広告/チラシ/診察券
しかし小規模で整骨院をはじめたり、可能な限り自分で広告宣伝を行ったりすることで初期投資を大幅に抑えることも可能です。
運転資金
運転資金とは事業を運営する過程で生じる費用です。整骨院の場合は、次の運転資金がかかります。
- 地代家賃(テナント家賃/駐車場費用など)
- 仕入れ(衛生材料/テーピング等医療消耗品など)
- 水道光熱費(水道/電気/ガスなど)
- 通信費(院の電話代/インターネット契約/先生の携帯など)
- 人件費(スタッフ給与など)
- 消耗品(雑貨/ガソリンなど)
- 宣伝広告費(看板維持費/ホームぺージ/WEB広告/チラシなど)
- リース料(レセコン/姿勢分析ソフトなど)
- 組合費(協会費用/賠償責任保険等など)
平均すると月々50~80万円ほどの運転資金がかかると言われます。しかし整骨院の規模を縮小したり、可能な限り内製化したりすると大幅に運転資金を抑えられます。
とくに人件費は運転資金のなかでも大きな割合を占めるため、はじめは1人で開業することで大幅な事業費削減が可能です。
整骨院を開業するために準備すべきもの
整骨院を開業するために準備すべき書類は、次のとおりです。
- 施術所開設届(接骨院や整骨院を開設して10日以内に届け出が必要)
- 柔道整復師免許(原本と写し)
- 施術所の平面図
- 最寄り駅からの案内地図
- 定款の写しと登記簿謄本(法人の場合)
- 賃貸契約書(施術所が賃貸の場合)
保険請求を行うためには、以上の他にも受領委任払いに関する申請書が必要です。また整骨院の開業を認められるためには、構造設備基準を満たす必要があります。保険所に相談するなどして、施術所の構造を整えてから開設届を提出しましょう。
整骨院を開業するまでの流れを6ステップで解説!
整骨院を開業するまでの流れは次の6ステップです。
- 事業計画や開業資金計画を立てる
- 物件選んで改装工事をする
- 機器類を購入する
- 整骨院開業のための申請手続きを行う
- 整骨院のスタッフを採用する
- 整骨院の開業を宣伝する
それぞれについて解説します。
事業計画や開業資金計画を立てる
事業計画とは、接骨院開業に向けた具体的な実行プランです。開業資金を借り入れる場合は、事業計画書を作成して金融機関の担当者に理解してもらう必要があります。
開業資金の総額を算出し、エリアやターゲットとなる患者、コンセプトを決定します。施術方針や目玉メニュー、院内レイアウトを含めた具体的なイメージと収益予測を作成し、開業成功に向けて計画を立てましょう。
物件選んで改装工事をする
コンセプトや予算に適した物件を見つける際、立地や家賃だけでなく、市場調査も重要です。周辺の競合状況や顧客層を把握し、成功する確率を高めましょう。物件が決まったら、改装工事に着手します。
接骨院開業にあたっては、広さや区画分けに基準があります。適切なスペースで患者さんに安心して治療を受けてもらえる環境を整えることが重要です。また、バリアフリー対応や駐車場の確保など、アクセス面も考慮しましょう。
機器類を購入する
患者さんの満足度を高めるためにも、治療機器選びは重要です。治療機器メーカーやディーラーが主催する説明会に参加することで、最新情報を把握し、自院に適したものを購入するとよいでしょう。
アフターフォローや保守サポートを考慮すると、メーカーやディーラーから直接購入するのがベストです。専門業者は治療機器に関する専門知識が豊富で、トラブル発生時の対応も迅速に行ってくれます。
また初期費用を抑えたい場合は、リース契約を利用する手段もあります。リース契約を結ぶことで、高額な治療機器を一括購入せずに済み、月々の支払いで治療機器の使用が可能です。
整骨院開業のための申請手続きを行う
整骨院開業のためには、以下の届出が必要です。
- 開設届(届出先:保健所)
- 受領委任取扱い契約の届出(届出先:地方厚生(支)局)
- 共済組合・防衛省等への届出(届出先:共済組合・防衛省)
- 労災保険指定医療機関への届出(届出先:都道府県労働局)
- 生活保護法等指定施術機関への届出(届出先:管轄の福祉事務所)
- 税務署への届出(届出先:管轄の税務署)
柔道整復師団体に加入すると、保険請求に関する手続きをサポートしてくれます。
整骨院のスタッフを採用する
整骨院の形が整ってきたら、一緒に働くスタッフの採用を始めましょう。スタッフは接骨院の顔となり、患者さんとの接点を持つため、治療コンセプトを理解し共感できる人材が望ましいです。
事業計画が整っていると、スタッフに求めるスキルや資質を明確にできるため、適切な採用基準を設定できます。求人情報の作成や面接を通じて、候補者にコンセプトやビジョンを伝え、熱意を持って取り組める人材を採用しましょう。
整骨院の開業を宣伝する
地域の方々に整骨院の存在を認知してもらうことは、新規患者獲得にとって大切です。チラシやホームページで整骨院を宣伝して、周辺地域での認知度を高めましょう。
チラシでは、治療コンセプトや提供サービス、開業記念の特別キャンペーンなどを明確に伝えることが重要です。また、配布エリアを絞り込むと、効果的な広告宣伝活動が可能となります。
ホームページは、院の情報や治療メニュー、スタッフ紹介、アクセス情報などを掲載し、検索エンジン最適化(SEO)対策を行うことで、インターネットでの認知度向上に繋がります。
また、SNSを活用して定期的に情報発信することで、より広範な地域の方々にリーチできるでしょう。
整骨院で独立開業する場合はしっかりと準備しよう
整骨院で独立開業する場合は、資金計画やスタッフの確保、広告宣伝など、必要な準備をしっかりと行いましょう。今回は整骨院の独立開業を成功させるための方法を解説しました。開業の流れについても解説したので、参考にしてください。
また整骨院の開業を成功させるためには、施術スキルや問診力を高めて来院した患者さんに満足してもらうことも重要です。弊社に入社すると、再現性の高い手技や患者さんのリピートにつながる問診スキルを学べる勉強会に参加できます。
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