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今回は柔道整復師で訪問のお仕事に興味がある方に向けて
- 柔道整復師の訪問施術の概要
- 柔道整復師が訪問診療をするメリット・デメリット
- 柔道整復師が訪問で出来る事・できない事(保険云々の話や、マッサージ、訪問看護等ができるかなど)
をご紹介します。
柔道整復師の訪問施術の流れ
訪問ではまず、電話やメール・ラインが来たら対応します。
そして訪問する前に患者さんの症状をよく聞いて、治療方法を電話である程度提案しておきます。
そして治療器具をいくつか用意して向かいます(低周波や高周波、ラジオ波など。固定などが必要そうな場合は固定材料も持っていきます)。
そして患者様のお宅で電気治療後、数分間の手技療法を行います。
基本的には患者さんの家にある布団や椅子などを使いますが、折りたたみベッドやマットなどももちろん持っていきます。
訪問の場合動けない患者さんが多いので、運動療法をやる方も多くいます。
そして一通り終わった後、次回の訪問日を決めて訪問治療は終了です。
初診の方には、今後の治療計画や家でできるセルフケアなども提案します。
※介護福祉施設に訪問することもあります。
柔道整復師として訪問するメリット
健康保険を利用して訪問診療する場合は、歩行が困難な状態にある患者が対象になるため、通院が困難な為患者様には大変喜ばれます。
これが一番のやりがいであり、訪問のメリットですね。
お金の話をするのであれば、若年層から壮年層では主に急性腰痛(便宜上ギックリ腰)が理由で患者の自宅で訪問施術します。
急性期であれば1週間程度訪問する事ができるので、言わば固定客になるのである程度売り上げに影響しますし(リピート率は接骨院に来院される患者さんより高いです)、保険請求の際に往療料を上乗せして請求できるメリットがあります。
(ただし、その際は往療理由の記載が義務付けられております)
また距離に応じて加算もできます。
片道2km以内では1,860円、2kmまたはその端数を増すごとに800円が加算されます。
さらに片道8kmを越えた場合の加算は、一律2,400円となっております。
要は訪問の大きなメリットとして
- 整骨院など通えないお年寄りに喜ばれ、やりがいが大きい
- 施術所で治療するよりも訪問して治療する方が、療養費の請求をより多く請求できる
があります。
その他の、柔道整復師が訪問施術をするメリット
その他の訪問治療のメリットとしては、
- 整骨院とは違ってその人の家で行うので、他の患者さんを気にしながらやることはない
- 患者様とより親しい関係を結べる(大抵お年寄りが多いので、お茶菓子も出してくれます)
というのがあります。
訪問柔整師のデメリット
デメリットに関して、まずは施術所を閉めて外に出なければいけない事です。
複数人で運営している施術所は1人のスタッフが訪問にいき、残りのスタッフが施術所での業務を行えば良いですが、1人ないし2人で運営している施術所は
- 休憩が全く取れない
- 1人が出ている間にもう1人が施術所内の業務を1人でこなさなければならないため、その間に患者が多く来院してしまうと待ち時間が増えてしまい、患者が帰ってしまう可能性がある
というデメリットがあります。
また上記述べた若年層や壮年層の患者が訪問期間中に通学や通勤をしてしまい、その事実が保険組合に知られると返戻になり、往療料の算定ができなくなる点があります。
その他には保険診療では歩行が困難な事が前提なので、長期的には行えない事もあります。
その他の、柔道整復師が訪問診察をするデメリット
その他のデメリットとしては
- その人の家でやるので整骨院のような整った環境とは違う
- 施術用の簡易ベッドの持ち運びも少し手間になる
- 雑談でなかなか帰してもらえない
などがあります。
柔道整復師は訪問マッサージはできるの?
柔道整復師で訪問マッサージのようなことはできますが、それには注意点があります。
先ほど上記で述べたように柔道整復師が訪問する場合は歩行が困難な患者が対象になり、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷に対する施術が可能です(骨折、脱臼は医師の同意が必要)。
患部の治癒促進の為に手技(マッサージ)を加えることはできますが、治癒の促進が前提で慰安目的のマッサージは行えません。
また柔道整復師があんまマッサージ指圧師の国家資格を保有している場合は、マッサージ師として訪問治療する事が可能になりますが、筋麻痺、筋萎縮、関節拘縮に対するマッサージが適応になり医師の同意書が必要になります。
保険を使わずに自由診療で訪問マッサージ、訪問リハビリなどの訪問診療はできる?
保険を使わずに自由診療で個人宅に伺って治療やマッサージ、整体、リハビリ等を行うことは違法ではありませんが、自由診療で行う場合、整体院として運営も併設していることを保健所に知らせた方がよりクリーンな施術所となるでしょう。
その際は開業時に施設構造基準に沿うことが必要になります。
待合室が3.3平米、柔道整復施術室が6.6平米以上必要になりますが、それに加えて整体院としてのスペース(自由診療スペース)を6.6平米以上確保することで保険診療と自由診療の区別が明確になりますし、訪問マッサージ、訪問リハビリを広告にて謳う事が可能になります。
その他、柔道整復師が訪問してできる事・できない事
その他、訪問で柔道整復師が出来る事は、手技(マッサージ)、物理療法(温罨法、冷罨法)、電気療法、骨折・脱臼の整復(医師の同意が必要)、固定(包帯、テーピング)、患部に対するセルフケアの指導、ADLの指導などができます。
逆にできない事は医療、介護が業として行う事を柔道整復師が行う事はできません。
例として服薬管理、口腔ケア、褥瘡ケア、排泄のケア、食事のケア、入浴介助などの訪問看護や訪問介護の分野です。