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今回は柔道整復師として病院の整形外科で働いたことのある方にインタビューにご協力いただけましたので、この記事でご紹介します。
柔整師として整形外科に就職・転職したい方の参考になれば幸いです。
※以下、インタビューをそのままご紹介します。
柔道整復師として整形外科を選んだ理由について教えてください。
整骨院に比べ、骨折、脱臼、捻挫などの患者が多く、整復、固定、リハビリなど経験することができると思い勤務先を整形外科にしました。
また、レントゲン写真や注射、薬剤など整骨院では学ぶことができない知識も身につくと思ったため。
学生の頃にお世話になっていた理学療法士の方が誘ってくださったため、面接をしていただき勤務することになりました。
整形外科の単科病院だったため他の病院よりも、整形外科に特化した症例を多く見られると思い選びました。
個人経営の整骨院の数が増加して、競争が激化している中、個人経営で柔道整体師として働いても成功しないと思ったからです。
大きな病院の中にある整形外科であれば、経営母体がしっかりとしていて、安定して働けると思ったからです。
柔道整復師としての整形外科の仕事内容・禁止事項を教えてください。
骨折、脱臼の整復操作、骨折、脱臼、捻挫や肉離れ患者への固定やリハビリ、四十肩患者などのマッサージや可動域訓練など。
肩凝りなど慢性疾患に対する施術。
その他、電気療法の取り付け取り外しなどの柔道整復師としての一般業務を行います。
柔道整復師として主に外来でリハビリに来た患者様に物理療法を施すお仕事です。
リハビリの指示箋には大まかな物理療法の内容が記載されているので指示に沿った内容で施術します。
病院のリハビリですので、自己判断での行動は慎まなければなりません。
整形外科での柔道整復師の仕事のほとんどは、リハビリテーションという機能訓練です。
時には、医療的介助やレントゲンのセッティング、ギプス生成などを行うこともあります。
大きな病院の整形外科の場合は、医師や看護師などと連携して業務をします。
柔道整体師は、薬物投与などの権限がありません。
一日で何名くらい来院し、患者様に何名で対応していますか?
私が勤めていた整形外科リハビリ室には、1日平均300名程度来院し、スタッフ数3人で相手をします。
そのうちマッサージなどの手技を行うのは60名ほどなので、一人当たり16人程度マッサージを行います。
1日に当たり五人程度のリハビリを実施します。
リハビリ時間は人によって異なりますが、多くの場合は1時間程度です。
お仕事のやりがい・大変なことを教えてください
患者さんから直接感謝される時にやりがいや、この仕事でよかったと感じます。
また、骨折や脱臼患者の整復操作や、ギプス固定がうまくいった時の喜びは言葉では表せないです。
大変なことは、来院患者数が多いため、一日中バタバタ動き回っていることです。
整骨院や福祉施設の勤務に比べると整形外科領域の重篤な症例なども目にする機会が多いので、良い経験になりました。
認定を受けた柔道整復師であれば理学療法士と同様に運動療法を行うこともあります。
しかし主な仕事となる物理療法の外来患者様がとても多いので、病院の診療時間内に数をこなすだけでも大変でした。
柔道整復師の仕事は、医師や看護師などと連携して行いますので、チームプレイの効果が現れた時に大きな喜びを感じます。
しかし、最大の魅力は患者さんが機能回復していく様子を見守れることです。
たとえば、階段を登れない患者が階段を登れるようになるなどの、課題をクリアしていく時には、患者の喜びを自分の喜びのように感じられます。
また、そんな場合には、患者から直接感謝の言葉をもらえることも、毎日の業務の励みになります。
整形外科医と柔道整復師が良い関係で関わっていくにはどのようにすれば良いと思いますか?
柔道整復師を雇う整形外科は、ドクターが柔道整復師を信頼してくれていることがほとんどです。
その信頼を裏切らず、自分の業務を全うすれば良い関係で関われると思います。
たくさん勉強することだと思います。
患者様の症状変化を理論的に説明できなければ、相手にもしてもらえませんので。
分からないことや疑問に思うことがあれば、自分が納得いくまで調べてから話さなければなりません。
自分の守備範囲をしっかりと把握することです。
誤って、看護師や医師などの守備範囲に手を出したり意見したりすると良好な人間関係が築けません。
就職した後の、職場での技術や知識の習得方法を教えてください。
積極的に整復や固定の業務に関わり数をこなせば自然と身につきます。
また、昼休みなどを利用し、レントゲン写真の読影の練習をしていました。
理学療法士や作業療法士が行う運動療法と、柔道整復師が行う物理療法がはっきりと分けられていたので、知識を習得しようと思うのであればカルテを参考に症状や治療法を分析するしかありません。
整形外科にて柔道整体師がスキルアップする手法は、とにかく実践を積むことでした。
働き始めた当初は、OJTという形で研修を受けながら経験を積みました。
柔道整復師にとっての整形外科勤務の将来性・安定性をどう思いますか?
近年、数が激増している整骨院、接骨院に比べると、整形外科は患者数も多く、収入面も安定していると思います。
私は、総合病院の整形外科にて働いていますので、経営母体がしっかりしていて将来にわたり安心して働ける環境だと思います。
基本的には、柔道整復師は全国的に不足の傾向ですので、リストラされてしまうことも考えづらいです。
柔整師が整形外科に就職(転職)するために必要な知識・経験は何ですか?実務経験なしのペーパー柔整師でもいいですか?
資格は柔道整復師の資格のみで可能です。
整形外科によってはみなしPTなどの資格を取得させてくれるところもあると思います。
知識としては、解剖学、運動学、病理学あるといいです。
未経験でも問題なくできる仕事だと思いますが、最低限解剖学などの身体の基本的な作りについては復習しておくと良いと思います。
整形外科に籍を置いていても、柔道整復師であることには変わらないため、厚生労働省が実施する柔道整復師という国家試験に合格する必要があります。
また、資格を持って入れば未経験者でも研修を受けながら働けます。
20代、30代、40代、50代、60代、それぞれの年代で未経験で就職・転職できますか?それとも求人に年齢制限はありますか?
その整形外科の院長の年齢によると思います。
私が院長から聞いた話だと「自分より歳上は雇いづらい」と言っていました。
平均して20ー30代の方が多い印象です。
病院やクリニックでは、スタッフの定年がしっかり決まっているケースが多いので、若い世代の方が良いのではないかと思います。
柔道整復師の資格さえ持っていれば、特に年齢制限はありません。
その一方、病院などでは若い人を求めている傾向もあります。
初任給、20代、30代、40代、50代、60代それぞれの年齢別の平均的な給料・ボーナスの目安
20代は額面22万、手取り18万ほどです。
30代は額面28万、手取り24万ほど。
40代〜50代の方はいなかったのでわかりません。
ボーナス夏1か月、冬1.5か月でした。
20歳代の人の月収は17万円程度で、ボーナスは68万円、平均年収は250万円程度です。
30歳代の人は月収は24万円程度でボーナスは98万円、平均年収は350万円です。
40歳代は月収が28万円でボーナスが114万円、年収は400万円程度
50歳代は月収が34万円、ボーナスが136万円、平均年収は500万円です。
60歳代となると月収は23万円、ボーナスが92万円、年収は400万円程度です。
整形外科に勤務して年収アップする方法を教えてください
患者さんから指名をされて、院長から信頼されたらこっそり給料アップされていたことがあります。
また、信頼や経験によっては主任手当などがつくことがあります。
柔道整復師が整形外科にて働いていて年収をアップさせるには「記法訓練指導員」の資格を取るのが良いでしょう。
また、職場によっては固定給ではなく、歩合性を採用することで年収のアップも期待できます。
勤務時間、残業の有無、ノルマの有無、週何日休めるか、有給休暇は取れるか、福利厚生・手当て・保険
午前9:00〜13:00、午後15:00〜19:00まで。
残業は1日約1時間程。
ノルマは特にありませんでした。
週休二日、土曜は午後休み。
有給はスタッフの数によりますが、取れない、もしくは取りずらかったです。
手当は主任手当のみ。医師国保に加入。
勤務時間は8:00~17:00ですが、外来の患者様全員が帰るまでは帰れません。
平日に週1日休みがもらえますが、有給休暇は冠婚葬祭以外だと取りにくい雰囲気にあります。
福利厚生は雇用保険・健康保険・厚生年金・労災保険など、ひと通りついていました。
基本的には勤務時間は1日8時間です。
残業は少ないですが、時には残業が必要なこともあります。
しかし、月間20時間を超えることはありません。
ノルマについては特にありません。
休みについては基本的には週休2日制です。
福利厚生については、各種社会保険が完備されています。
その他には、住宅手当があります。
整形外科に出会いはありますか?結婚できますか?
出会いはありません。
一応、看護師さんなど柔道整復師以外にもいますが、長年働いている方が多くそういう気になれません。
出会いはそれほどないと思います。
リハビリ室で同じ病院のスタッフとお付き合いされている方は理学療法士、作業療法士も含めておりませんでした。
職場には女性の看護師もいますので、出会いの場は豊富です。
結婚年齢については28歳から32歳くらいです。
柔整師が整形外科に就職・転職したい場合、履歴書の自己RPと志望動機は何を書けば良い?
何故接骨院、整骨院でなく、整形外科での勤務を希望しているかを明確にした方がいいと思います。
私の場合、整骨院に比べ、圧倒的に外傷患者が多く、知識や経験を身につけることができると判断したため整形外科勤務を希望した旨を記載しました。
自己PRは、自分は身体を動かすことが好き旨と、それと仕事を結びつけることができることをアピールしました。
整形外科のドクターはスポーツ観戦やプレーする方が多いので、好印象を待たれることが多いです。
これまでの経歴や所有する資格などの他に、時間を守ることや仕事に真面目に取り組むことなど、ごく当たり前のことができることはアピールした方がいいと思います。
整形外科の分野でどのようなことを学びたいのか、特に指関節を含む上肢のリハビリに力を入れている医師がおりますので、上肢のリハビリに興味がある場合は、大いにアピールした方が良いと思います。
その他、日曜日に物理療法のみ受け付けているので、土日祝日の勤務が可能であることを書くと良いと思います。
せっかく柔道整復師の資格を持っているので、その資格をアピールすることは基本です。
その他にも、関連資格を持っていればアピールポイントとなるでしょう。
また、整形外科での求人は即戦力を求めていることが多いので、これまでの柔道整復師としての経験を具体的にアピールすることが大切です。
また、なぜ、柔道整復師の資格を取ったのかなどについても整理して記載すると良いでしょう。
最後に必要なことは、熱意を見せることです。
面接でのよくある質問内容と答え方のアドバイスをお願いします。
面接時は、学生時代のスポーツのことや、趣味、整骨院での勤務経験の有無、通勤手段など、一般的な就職面接でした。
私が意識したのははっきり答えること、なるべく笑顔でいることです。
整形外科勤務時に私も、新人採用の面接を行ったことがありますが、患者さんとのコミュニケーションが重要な仕事のため、経験、スキルなど質問内容の答えよりも、はっきり答えているか、声が小さくないか、面接時に笑顔を見せるか、性格は暗くないかなどを見ることが多かったです。
面接では主に勤務条件を確認されました。
私の場合はリハビリ室の主任である理学療法士の方の紹介なので、
理学療法士同席のもと、ふざけた話や笑い話などをしながら終始和やかな雰囲気で、前職はいつ頃退職できるのか、いつから勤務可能かなどを確認されました。
他のスタッフの面接の話では、どうしてその病院を選んだのか、主に物理療法がメインであるが問題なく取り組めるのか、理学療法士や作業療法士ともうまくやっていけるのかなどを確認されたようです。
前向きな姿勢をアピールすれば良いと思います。
どんな職種でも必ず聞かれることは志望動機です。
この場合は、患者のために自分の能力を発揮したいことなどをアピールすると良いでしょう。
人によっては、転職の場合もあるかもしれません。
そんな場合は、過去の職場に対してネガティブな発言をするのはNGなのを覚えておきましょう。
前の職場よりもこれからの職場の方がもっと、自分の能力を生かせる気がしたなどのストーリーにする必要があります。
また、将来どうなりたいのかなども考えておきましょう。
目的意識を持っている人は、向上心がある人物として評価されます。
面接での逆質問は、どのようなことを聞けばいいと思いますか?
この職場入ったらどんな業務内容があるのかは聞いた方がいいです。
入ってみたら、骨折の整復や固定製作をやらせてもらえないってこともあるので、聞くようにしましょう。
休日や給与のことなど、聞きにくい質問ではありますが後々のトラブルにならないためにも聞いておいた方が良いと思います。
車通勤が可能かの確認もした方が良いです。
例えば、整形外科にて働く際に重要な心がけは何かや、内定をもらった時に何を準備すべきなのかを質問すると良いでしょう。
柔道整復師の整形外科求人の探し方・見つけ方
整形外科の求人であれば、大手の求人サイトであれば割と見つけられますよ。