柔道整復師=自分のお店を持つ!
これが一昔前の常識でしたが、最近は様々なことが原因で一度開けた治療院を閉めて、雇われに戻る方も多いです。
ただし、雇われに戻る=負け、恥ずかしい事では全くありません。
弊社でも何名の方にも話を聞きましたが、「こんなことなら、もっと早く雇われに戻っていればよかった」と話す方が本当に多いです。
一度開業した経験のある柔整師はグループ院などでかなり重宝されるので、この記事が何かのきっかけになれば幸いです。
一度開いた整骨院を閉める(閉院する)目安は?
開業するのにも資金が必要ですが、院を閉める場合にも資金が必要となってきます。
壁や床の張替え、鍵の交換、外装工事といった建物の原状回復費はもちろん、院を閉めると決めてからも3ヶ月程度は家賃を支払い続きける必要もあります。
建物の大きさや家賃にもよりますが、100万円かそれ以上はかかることが想定されます。
よって、お金が底を尽きてから閉院を決めるのでは遅いのです。
赤字が続いて今後とも売り上げ増加が見込めないのであれば、閉院に必要な費用が払えなくなる前に、院を閉める判断をする必要があります。
取材をした柔整師は「平均来院数が確実に赤字になる月が1年続いたら閉院をする」と言っている方が多く、その通り閉院した人もいます。
昔のように少しでも上手く行かないと考えているなら、借金が膨らむ前に一度潰してしまったほうが、あとあと痛手を負わなくて済みます。
人件費が支払えなくなると、個人の資産の差し押さえも
閉院する際に支出となるのは複数存在しますが、借入金は銀行に支払い猶予などを依頼することも可能です。
しかし雇用している人に対して支払う人件費と家賃については、基本的に猶予してもらえない部分になります。
そのためこの2つについては、閉院する際でも手元資金として残しておく必要があります。
なかでも人件費については、法律的に支払いが厳しく定められていて、支払わない場合には個人の資産の差し押さえも可能です。
個人の資産を差し押さえられると、柔道整復師個人だけではなくて、家族にまで影響を及ぼすことになりかねません。
これに対して銀行の借り入れであれば、基本的に信用保証があるので、個人の資産まで差し押さえされない可能性もあります。
こうしたことから接骨院を閉院する際には、人件費はどうしても必要になるお金なので、大切に扱うことが必要です。
独立開業した経験のある柔道整復師が、再び雇われに戻るメリット
まず院を閉めるか迷っている段階で、月々の売り上げは安定しておらず、辛い思いをされていると思います。
一方で雇われに戻れば安定した給料を貰えますし、後の事は置いておいて、ひとまず生活を立て直すことが出来るのが最大のメリットです。
多少面倒にはなるかもしれませんが、今ここで一度雇われに戻って生活を安定させてから、再度開業したっていいわけですから。
グループ院は”院長経験者”を血眼になって探している
また、実はメリットがあるのは私たち閉院する柔道整復師の側だけではありません。
雇う側(会社、院)にも大きなメリットがあります。
というのもグループ展開をしている院では今、とにかく店舗数を増やそうと必死になっています。
ただ新しい院をオープンさせるためには新しく分院長を育てる必要がありますが、施術のスキルだけではなく、レセプト作業、スタッフ教育、クレーム対応、予算計画の立案など特別な教育が必要となってくるので…グループ院にとってもかなりの手間なんです。
一方で開業して自分で院の運営を経験している柔道整復師であれば一通りのことを経験しているので、早く安心して分院長を任せられます。
それに個人院が閉院する理由の多くが”集客”や”経営”の能力不足であって、技術力ではないんです。
グループ院は集客力や技術力に長けていますから、もし技術力に自信のある柔整師さんの場合、グループ院で働いたほうが人気が出る可能性はかなり高いと思います。
※ちなみに雇われ院長の年収は基本給保障(40万円~)+歩合制(30%など)が多く、最低でも年収500万円から、グループ院では1000万円以上稼いでいる人もいます。
おわりに
柔道整復師にとって、自分の整骨院を持つというのは一つの道であることに間違いはありません。
ただし、このままズルズルと辛い思いを続けるくらいなら、一度すべてリセットして雇われに戻る方法もあるでしょう。
ひとまず安定した給与を貰って今後の生活をじっくり考え、余裕が出てきたときに再び開業しても構いません。
またこれまでの経験を生かして、広い気持ちで下の人を育てていってあげるのも楽しいものです。
特にグループ院は最低でも年収500万円、頑張り次第では1000万円以上稼げる場所をあなたのために用意してくれています。
当メディアとしては、一度ゆっくりしてみるのも良いと思います。