柔道整復師のお仕事をしていると、どうしても”職業病”とも言えるような体のトラブルが起こってしまいがちですよね。
そこで今回、
- 柔道整復師のお仕事で良く起こりがちなトラブル(ぎっくり腰、腱鞘炎、背中の筋違い、内側上顆炎など)が起こってしまったときに、応急処置をしながら仕事を続ける方法
- 今後は仕事中にトラブルが起こらないようにするコツ
- 柔道整復師の資格を使う、体にトラブルが起こりにくい仕事先
についてご紹介します。
「今もう既に体にトラブルが起こってしまったけど、休むわけにはいかないから少しでも痛みが治まる方法が知りたい」
「少しでも早く治るように、今後はトラブルが起こりにくくなるコツを知りたい」
「どうしても体にトラブルが起こるから、体がおかしくなる前に少しでも体に優しい柔整師の就職先を知りたい」
という方の参考になれば幸いです。
柔道整復師がケガ・体のトラブルを治しながら仕事を続ける方法
今回は「ぎっくり腰」「腱鞘炎」「背中の筋違い」「内側上顆炎」についてご紹介します。
ぎっくり腰になった時の応急処置
ぎっくり腰は柔道整復師の仕事上、結構起こりやすい体のトラブルです。
酷いとその場から立ち上がれなくなることもありますが、柔整師としてまさか患者さんに「ぎっくり腰になった」とも言えませんから、できるだけ早く治したいですよね。
実際にぎっくり腰を経験した柔整師の方は、
- ふくらはぎに高周波を当てながらしばらく横向きで安静
- 足に針を打ってもらい運動鍼灸をする
- コルセットをつけてしばらく安静にする
- 椅子に腰かける際もクッションを敷く
- 安静時期を過ぎたら、腹筋と背筋などを鍛えて体幹をしっかささえる
- 屈む際は、いつもひざを曲げずにしていたが、屈伸することにより腰の負荷を軽減させる(頭を前かがみにせず、そのまま膝を曲げて垂直に頭を低くする)
こういった対策をしながら、お仕事を続ける方が多いです。
結局のところ自然治癒しかないので、少しでも腰の負担を減らしつつお仕事を続けるしかなさそうです。
今後、柔道整復師の仕事をしていてぎっくり腰になるのを防ぐ方法
今後ぎっくり腰になるのを防ぐ方法としては、第一に昇降ベットをしっかり活用することがあります。
普通の木製ベットの場合はベットの高さを上げることをせず治療をしてしまう事も多いと思いますが、やはりぎっくり腰にはなりやすいです。
また冬は寒くて腰が冷えるので、貼るホッカイロをつけたりするのも効果があります。
後は基本ですが、十分にストレッチをすることもぎっくり腰の予防になります。
ストレッチをすると筋肉も柔軟になり血流もよくなりますし、他の関節可動域が広げることによって、腰だけにかかっていた負担を他の関節に分散されるので腰痛も起こりにくくなります。
次に腰痛体操などをして筋肉を刺激させ、筋力を強化し姿勢を保てるようにすることも効果があります。
腰に負荷がかかっても周りの筋肉が支えてくれるので、腰の負担軽減につながりますから。
最後に腸腰筋(腰骨から大腿骨に繋がっていて主に股関節を曲げるときに使う筋肉)と言われるところが緊張していて腰を反ると痛いこともあるので、腸腰筋をほぐしてあげることも効果的です。
腸腰筋が硬くなると股関節の可動域も狭くなり、姿勢が維持できなくなって腰痛が起こりやすくなるので、こちらもストレッチでほぐしてあげることで腰痛を起こりにくくすることが出来ます。
柔整師の仕事をしていて、背中の筋違いが起こった時の応急処置
柔道整復師の仕事では、体をひねった状態で施術をすることがよくあります。
その結果、背中の筋違いを起こしてしまう事もよくありますし、酷い場合には息をするのも痛くなってしまう事もありますよね。
その場の応急処置としては、
- 首を前後左右にするストレッチ
- 上腕の筋肉と前腕の筋肉にストレッチ
- 膝を胸のところに抱えたりして背中の筋肉を伸ばすストレッチ
等が効果的です。
このストレッチを痛くない範囲で行えば、5日間くらいで痛みは完治することが多いです。
どうしても痛い場合は、冷やすか温めるのどちらで痛みが軽減するか、確認するのも良いでしょう。
今後、柔道整復師の仕事をしていて首の筋違いを防ぐ方法
このようなトラブルを引き起こさないためには、普段から前腕と上腕の筋肉のストレッチを欠かさず行う事です。
また20歳を超えるとお尻の筋肉が衰えて背骨の柔軟性を失いますので、お尻の筋肉である中殿筋・大殿筋などの筋肉を鍛えて、股関節周りの筋肉のストレッチが有効です。
柔整師の仕事をしていて、腱鞘炎になった時の応急処置
腱鞘炎もまた、手を酷使する柔道整復師のお仕事では起こりやすいトラブルの一つで、職業病の中でもかなり厄介です。
患者さんを触るだけでも痛い、何もしなくてもうずく感じがある一方で、手は必ず使うものなので、応急処置法としてはテーピングで手首を軽く固定してもらうくらいしかありません。
その上で
- 腰の時は肘を使ったり、大腿部には前腕を使う
- 自分の反対の手と交互に使う
などして、自然治癒を待つしかありません。
後は職場に鍼灸師の方がいる場合は、腱鞘炎は鍼灸が特に効くので打ってもらう方も多いようです。
親指が反れて痛くなってしまう人は…
生まれつき関節が柔らかい方ですと、マッサージの際に親指が反れてしまい上手く力が伝わりにくいことがあります。
そんな時に自分の親指にどうしても体重がかかってしまったり、また力が伝わらない分強く力を入れてしまい、一日が終わった後に親指がズキズキと痛くなってしまう方も多くいます。
この場合の対処法ですが、肘で押したり手の付け根の方を使って施術をするのがお勧めです。
肩を揉む際などは親指を使う方が多いと思いますが、同じように親指が反って痛くなってしまう方は、この方法で乗り切っている方が多いですよ。
この問題に関しては生まれつきの関節の柔らかさが関与してくるので、自分のやりやすいやり方を見つけていくしかありませんね。
内側上顆炎になったときの応急処置と、今後の予防法
いわゆる”ゴルフ肘”で、ひじの内側が痛くなってしまうものですね。
炎症が起きた際には、まず炎症抑えるためにアイシングをしていきます。
ただし、治療者として腕を休ませる時間がないと思います。
そういう場合は保持する際に、肘から離れてる手首を使用するのではなく、肘に近い前腕でしようすることによって上腕の筋肉のサポートをしてみるのも一つの工夫だと思います。
また炎症が起きやすい部位として付着部が多いので、筋腹などの緊張している部分をマッサージすることも、筋肉の疲労回復につながります。
ストレッチだと炎症が起きている付着部に負担がかかるためおススメしませんが、筋腹にアプローチをかけることによって、遠方からの疲労回復できるようになります。
柔道整復師の仕事先で、ケガをしにくい体に優しい職場を2つ紹介
それでは最後に柔道整復師の資格を使って働ける、体に比較的優しい職場について、現役柔道整復師の方の声と共にご紹介します。
病院・整形外科で働く
私は今まで柔道整復師として、整骨院や整形外科リハビリ室、手伝いで介護の仕事などしてきました。
これらの中で圧倒的に体の負担が少なかったのは、整形外科での仕事です。
理由としては、来院する全ての患者に対してマッサージをするわけではなく、電気療法をやりにくる患者や、リハビリはしないで注射を打つだけの患者なども多くいるためです。
私が勤めていた整形外科の1日の平均来院数は約500人程ですが、そのうちリハビリをする患者は約300人程、そのうちマッサージなど手技をする患者は50人程です。リハビリスタッフは私を含め3人。
単純に割ると一人当たり16人程のマッサージで終わりです。
また、マッサージなどリハビリの時間も10分程度なので体への負担は少なく感じました。
現在は病院でのリハビリ、柔道整復師としての指圧とかをメインに行っていますが、定時で上がれるし無理を言われることもないし休みもしっかりあるので体的に1番負担のない仕事だなと思っています。
病院のリハビリとかで就職した方が体の負担は軽減されると思います。
仕事内容はもちろんの事、整形外科や病院は
- 週休二日制
- 有給も取りやすい雰囲気
- 各種保険完備
と、仮に体のトラブルが起こった際も、しっかり休められる環境が整っています。
また整骨院とは違い年収500万円も目指せる上、ボーナスもあるのが基本ですから、個人的にもかなりオススメです。
もし整形外科で働いてみたい方は、以下の記事も読んでみてください。
実際で働いていた方に様々なインタビューをしています。
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スポーツ関連施設で働く
柔道整復師の仕事の中には、スポーツ関連施設にて働く手法もあります。
結果から言うと、この職場で働くと体の負担が少ないです。
その理由は、健康な人を相手にした仕事ですので、利用者を介助する必要がなく、体力を使いません。
また、トレーナーになったとしても、自分自身でスポーツマシンを使う機会はとても少なく、お手本を見せることも少ないので、体力の消耗が少ないです。
その業務内容は、利用者を見守ることですので、大きな体力を使うことはないのです。
整骨院が経営しているトレーニングジムなどに勤務される柔道整復師もいらっしゃいます。
主にトレーニング後のケアがお仕事ですが、病院勤務と違い年収は整骨院とほとんど変わらない点には注意が必要です。
もし柔整師としてジムでの働き方が気になる方は、以下の記事も読んでみてください。
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